こんな人に
公開日を保ったまま論文を保存
公開日のない保存済みの論文は、あとで出典を組み立て直さなければならない引用です。Clean Web Clipper は本文ではなくページ自身のメタデータから日付を読み取り、ページに日付がなければ、欄を今日の日付で埋めずに空のままにします。
保存した論文が出どころを失う場所
ブラウザでプレプリントを読んで保存し、3 か月後に見ると、ノートにはいつ公開されたのかも、どの版を読んだのかも書かれていません。アブストラクトのページは v3 に進み、参考文献のリンクは離れたページを指すリンク切れのアンカーになり、著者欄には「Skip to main content」と入っています。クリッパーが最初に見つけた太字の文字列を取ったからです。
いちばん厄介なのは日付で、失敗が黙って起きるからです。保存した日をノートに刻むクリッパーは、正しく見えて間違っているファイルを作ります。1 年後、200 件のノートのうちどれが本当の公開日を持ち、どれがたまたま読んだ日を持っているのか、見分けられません。ファイルの中にそれを区別するものが何もないからです。
テキストと考えは別々の場所に行き着きます。文献管理ソフトはメタデータを、ノートアプリはあなたのコメントを持ち、どちらもコメントの対象になった一節は持っていません。論文を書く段になって取りに戻ると、リンクの半分は、すでに期限の切れた機関のセッションで読んでいたペイウォールに行き着きます。テキストそのものを、それについてのノートと同じファイルに残しておけば、この往復はまるごとなくなります。
ノートに記録されるもの
citation_dateとcitation_publication_date(arXiv、PubMed、IEEE が出力するメタタグ)を直接読み取ります。- JSON-LD の
datePublished、article:published_time、time[datetime]、Unix タイムスタンプも、この優先順で読み取ります。 - ページに日付がなければ欄は空のまま。 今日の日付が入ることはありません。
- 参照リンクは
[^1]の脚注になり、定義はノートの末尾にまとまります。 - 著者欄はふるいにかけます。 セクションの見出し、学術誌の名前、ボタンのラベルが著者になることはありません。
extraction欄が経路を記録します。 描画されたページからならdom、ページの描画が終わらなかった場合はjsonld-articlebodyです。- 公開日と取得日は混ざりません。 ページの日付は frontmatter の欄に、クリップした日はファイル名の
{date}に、意図して別々の場所に置いています。 - 測定した 512 ページで残った HTML タグは 0 なので、原稿に貼り付けた一節に
spanのかけらや図のキャプションの断片が紛れ込みません。
--- title: "Attention Is All You Need" source: "https://arxiv.org/abs/1706.03762" author: "Ashish Vaswani, Noam Shazeer, Niki Parmar" date: "2017-06-12" extraction: "dom" --- The dominant sequence transduction models are based on complex recurrent or convolutional neural networks.[^1] [^1]: Submitted 12 June 2017. Comments: 15 pages, 5 figures.
論文を読むための設定
初期設定は記事をすばやく読むために調整されています。文献フォルダに向くのはその逆で、メタデータの欄をすべて残し、保存する前に結果を一度見ることです。
- 拡張機能のアイコンから オプション を開き、保存先をプロジェクトの文献を置くフォルダにします。原稿の隣の
sources/か、vault 内のフォルダです。 - アイコンをクリックしたときは「フォルダに保存」ではなく ウィンドウを開く のままにします。論文ではウィンドウが役に立ちます。ファイルができる前に、日付と著者が実際に取れたかを確認できる場所だからです。
- ファイル名のテンプレートを
{domain}-{title}にします。プレプリントサーバー、学術誌、リポジトリにある同じ論文の写しは、タイトルが同じ 3 つの別の文書で、フォルダの一覧で見分けるにはドメインが必要です。 - frontmatter の欄を、
extractionも含めてすべてオンにします。最後の欄はほかのどこよりここで重要です。jsonld-articlebodyは、描画されたものではなくページの構造化データからテキストを取ったという意味で、2 つが同じ版とは限りません。 - 画像はリンクのまま残します。図はたいてい論証そのもので、リンクがあれば少なくとも図があったことは分かります。含めないと、論文に図があったという事実が黙って消えます。
- アブストラクトのページと全文 HTML が両方あるときは、別々にクリップします。持っているメタデータが違い、アブストラクトのページにはふつう
citation_dateタグが、全文のほうには参考文献があります。 - 初めて使う出版社で最初のクリップをしたら、
date欄を見てください。空なら、そのサイトはマークアップに日付を出していないということで、どう設定しても日付は出てきません。
文献フォルダ向けの設定
この表のテーマは速さではありません。2 年後もファイルが、どこから来てどうやって手元に届いたのかを語れるようにすることです。
| 設定 | 値 | ここでこの値にする理由 |
|---|---|---|
| アイコンをクリックしたとき | ウィンドウを開く | ファイルになる前に、日付と著者が残ったかを確かめられる唯一の機会 |
| 保存先 | 原稿の隣のフォルダ `sources/` | 一節とそれについて書いたものが、1 つの場所、1 つのバックアップにまとまる |
| ファイル名のテンプレート | `{domain}-{title}` | プレプリント、学術誌の版、リポジトリの写しはタイトルが同じでも別の文書 |
| frontmatter | `extraction` を含むすべての欄 | 経路が大事。構造化データと描画されたテキストは、ときに別の版になる |
| 画像 | リンクとして残す | 図のリンクは図があったことを記録する。含めないとそれが隠れる |
| サイト別ルール | `arxiv.org` → サブフォルダ `preprints` | プレプリントは新しい版に置き換わるので、まとめて確認し直せるようにしておく価値がある |
| 選択範囲 | 1 つのセクションだけ選択範囲をクリップ | 手法のセクションは、論文全体が読まれるよりはるかに多く引用される |
--- title: "Reproducibility of variant calling across sequencing platforms" source: "https://example-journal.org/articles/vc-repro" author: "M. Ilves, R. Okonkwo" date: "" extraction: "jsonld-articlebody" --- ## Abstract Concordance between platforms fell below 0.90 for indels longer than eight bases, while substitution calls agreed across all four pipelines tested.
3 つの使われ方
引用のあとで中身が変わるプレプリント
3 月にプレプリントの v1 を読んでクリップします。9 月にはアブストラクトのページが v3 を返し、結果のセクションが書き直され、著者が 2 人増えています。もう一度クリップすると、2 つ目のファイルは 1 つ目を置き換えずに番号が付きます。
これで、どの差分ツールでも、あなたが引用した版と、読者がその URL で目にする版とで、どの主張が動いたかが正確に分かります。3 月のファイルがなければ、何かが変わったことすら立証できません。URL はまったく同じで、ページは現在の状態しか見せないからです。
機関のセッションの内側にある全文
キャンパスのネットワークにいるか図書館経由でログインしているので、記事はあなたには表示されます。拡張機能はブラウザが描画したものを読むので、全文もほかのページと同じようにクリップでき、参考文献はノートの末尾にまとめた [^1] の脚注の定義になります。
それが効いてくるのは半年後、セッションの期限が切れて、同じリンクがお金を求めてくるときです。一節、著者、日付はディスク上のファイルにあり、そのファイルのどの部分も購読がまだ有効であることに依存していません。
文献を同じフォルダに置いて論文を書く
原稿は paper/ に、クリップした文献は paper/sources/ にあります。原稿の引用はどれも、ブラウザを開かずに元のファイルと照合でき、参考文献リストに必要な URL と日付はそのファイルの先頭の 2 行にあります。
ファイルはただのテキストなので、フォルダ全体への grep は文献管理ソフトには答えられない問いに答えます。どの論文を保存したかではなく、そのうちどれが実際にある言い回しを使っていたか、です。
いつもの文献の読み方との比較
たいていの人はすでにこのうち 2 つか 3 つをやっています。正直に比べると、どれも失敗しているのではなく、それぞれ別のものを取りこぼしているのです。
| 今のやり方 | 得られるもの | コスト |
|---|---|---|
| 文献管理ソフトのブラウザボタン | 構造化されたメタデータと、多くは PDF | 読むテキストはデータベースの中。引用は結局打ち直すことになる |
| PDF をダウンロード | レイアウト付きの正式版 | 追加の道具なしにはフォルダ横断で grep できず、版のあいだで差分も取れない |
| アブストラクトのページをブックマーク | すぐに保存できる参照先 | プレプリントはその場で置き換わり、参照先は黙って変更に追従する |
| 一節をコピー&ペースト | 必要だったテキスト | 日付も URL も参考文献の定義もなしに届く |
| Clean Web Clipper | HTML のテキスト、メタデータ、脚注を 1 つのファイルに | HTML のみ。PDF は読まず、引用キーも書かない |
メタデータが取れないとき
日付の欄が空になった
ページが、拡張機能が認識できる日付を出していません。拡張機能は citation_date と citation_publication_date(arXiv、PubMed、IEEE が使うタグ)を探し、次に JSON-LD の datePublished、article:published_time、time[datetime]、Unix タイムスタンプをこの順に探します。どれもなければ欄は今日の日付で埋めずに空のままです。文献フォルダの中のもっともらしい間違った日付は、まさに最悪のタイミングで発覚するからです。
明らかに著者がいる論文で著者欄が空
著者の抽出は構造化データと署名のマークアップを読み、よくある誤検出(セクションの見出し、学術誌の名前、「典拠管理」のブロック、ボタンのラベル)をふるい落とします。著者一覧を署名のマークアップのない JavaScript のウィジェットに入れている出版社もあり、その場合はふるいを通るものが何も残りません。空の欄は意図した結果です。著者欄に「Skip to main content」と入るのが、いくつものクリッパーで実際に起きてきた代わりの結果です。
論文ではなくアブストラクトだけが取り込まれた
クリップしたのはアブストラクトのランディングページで、ほとんどのプレプリントサーバーや学術誌では、そこには本当にアブストラクトしかありません。全文は別の URL にあり、同じページの「full text」「HTML」「reader」といったリンクの先です。そちらもクリップしてください。2 つのページは持っているメタデータが違うので、2 つのファイルとして残す価値があります。
数式がない
画像として描画された数式は画像のリンクのままで、画像を「含めない」にしていれば丸ごと消えます。出版社が数式をテキストとして描画していれば、その文字は取り込まれます。LaTeX への変換はありません。拡張機能はページが描画したものを読み、数式の画像から表記を再構成することはしません。
正直な限界
読むのは HTML で、PDF ではありません。PDF でしか存在しない論文は、拡張機能が変換するものではありません。BibTeX は取得せず、引用キーも書きません。frontmatter はメタデータであって、参考文献リストの項目ではありません。画像として描画された数式は画像のリンクのままです。そしてマークアップに日付をまったく公開しないサイトもあり、そこでは欄を推測で埋めずに空けておきます。正直な答えですが、それでも空の欄です。
よくある質問
ページに公開日がない場合は?
PDF をクリップできますか?
クリップしたあとも脚注のリンクは使えますか?
機関のログインの内側にある論文も取り込めますか?
著者をどうやって判断していますか?
データの表や補足資料の表は残りますか?
DOI、BibTeX、引用キーを取得しますか?
ノートにある `jsonld-articlebody` は何を意味しますか?
どの版のプレプリントを読んだかはノートに残りますか?
source の行にも含まれ、ファイル名の {date} にはいつ取得したかが記録されます。あとで同じ論文をもう一度クリップすれば、2 つのファイルを直接比較できます。版が変わったことを示す確かな記録は、それしかありません。